みなさんは、麻酔をかけるのは怖いですか?
突然の問いかけになってしまいますが、
昨日は獣医麻酔学会のセミナーに参加してまいりました。
これは、当院の麻酔管理ユニットです。
お題目は、...
『麻酔って危ないの?』
1 術前検査で麻酔事故は防げるのか?
2 気道確保のための新しいデバイス
3 血圧測定の重要性
4 人工呼吸の使い方
5 局所麻酔の現状と未来
ということでした。
この仕事を続けて、あっという間に10年がたちました。
日々、患者さんに麻酔をかけるなかで、
感じることや考える事柄について、
共感する部分がとても多かったです。
特に術前検査の是非について、私自身思っていたことが、
データーと共に紹介されていました。
また、データ上の安全と飼い主さんの安心には、
大きな隔たりがあると、締めくくっていたのも、
最近の僕の感じていたことでした。
私がヤフーニュースをポチポチしていたとき、
こんな話がありました。
福島の件で、放射線障害の専門家が、データをもって、住民にどれだけ安全な状況なのかを説きました。
しばらくして、住民に説明会はどうだったか、アンケートをとったところ、
「実は内容はよく覚えていないんだよ」と
「結局ダメなんだろう」と。
麻酔の話と似ていますね。
いくら、麻酔事故の出る確率が0.1%と説いたところで、
結局飼い主さんの不安は拭えないですよね。
だとしたら、必要なのは、データだけではなく、
飼い主さんの不安に寄り添った十分な説明なのかもしれません。
「安全と安心は違う。」
と、先生がおっしゃっていました。
その通りですね。
今後も麻酔知識技術に磨きをかけるとともに、
不安を和らげられるような、説明や、対応をしていけるよう、
努力してまいります。