症例は、1歳の日本猫、避妊メス。
縫い針を飲み込んでしまったかもしれないとのことで、
閉院間際に来院されました。以下は初診時のレントゲン検査所見です。
写真の中央に不自然に直線状な物体が見えます。
針は金属であるため、レントゲン検査で比較的容易に描出できます。
猫ちゃんは、糸が大好きなので、この縫い針事件は頻繁に遭遇するのですが、糸が、腸の方へ長〜く流出していると手術がとても厄介になります。
糸は、レントゲンでは見えないため、いつもお腹を開けるまで、どうなっているのかわかりません。
手術中の写真は怖いので、パスするとしまして・・・
こちらが、出てきたものです。
糸は、塊になっていました。
これであれば、余計な腸切開もなく、常法通り胃切開、異物摘出、閉腹となります。
翌日には、元気になります。動物はすごいですね。写真でもわかるかもしれませんが、とてもなつっこい、猫ちゃんでした。
数日で無事退院となりました。ちょっと寂しい・・・
着ている洋服は、ストッキネットと言いまして、傷口を猫ちゃんの舐め舐め攻撃から守るものです。エリザベスカラーかどちらかを着けることになります。
今回は、迅速に連れて来て頂いた、オーナー様のおかげで大事に至りませんでした。
オーナーさんの許可のもと掲載しております。